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モロッコの砂漠に行こう(8) |
今晩の宿泊地となるシャウエンの町に到着。 山の斜面に立地する町のようで、眼下の谷には暗闇の中にちらほらと明かりが見えます。 そして、町の中に入ると・・・ブルーの世界が広がっていました。 |
透き通るような絶妙な色合いを放つシャウエン・ブルー。 町全体がこの色で塗られているようです。 それが街灯に照らし出され、神秘的な雰囲気を醸し出しています。 |
いつ誰が考えたのか、そして誰がなぜ始めたのか。 この色を塗ることに同意したシャウエンの人々・・・ 一つ一つは古びていても、統一感があればこれほども美しくなるものです。 |
この色を持って帰りたいな・・・と思いました。 |
翌朝、シャウエンの町を見下ろす丘に登りました。 そこにはちょうど遺跡が立っており、上に登ればシャウエンの町が一望できます。 |
うっすら青さの残るシャウエンの町。 |
この穴を潜って登ってきました。閉所恐怖症の人にはキツイかもしれません。 |
やはり夜の方が綺麗ですね。 |
バスでシャウエンを起ち、最終目的地タンジェへ。 旧市街から港を見下ろせる丘に立ちました。 この旅で始めてみる海です。砂漠から海へと一気に走ってきました。 眼下には税関やフェリー乗り場が見えています。 海の向こうはスペイン。 「そのまま、行ってみたいね〜」 「うん、行きたい〜」 下に降りて税関まで歩いて行きましたが、パスポートを見せればそのまま通過できるその状況に思わずため息。 気を取り直してしばらくタンジェの町を歩きます。 タンジェの町にもマラケシュやフェズのようにスークがあります。 ただ構造そのものは良く似た感じなのですが、マラケシュのような混沌とした猥雑さは無く、フェズのような芸術性もありませんでした。 それよりもゴミが沢山散らばり、汚らしさが目につきました。 「町は住む人の心を現す」と言いますが、タンジェには良くも悪くも商人的なエゴイスティックな雰囲気が漂っています。 モロッコの中でも地域による文化の違いはあるのでしょうね。 |
悲しいかな、夜行列車でカサブランカへ向かいます。 駅員に頼み込み、ようやく機関車の撮影に成功。品位のあるカッコいい列車ですね。 フランス製だそうです。 |
残照に照らし出されるタンジェの町が遠ざかっていきます。 ところで、この列車はほとんどがドアー付きのコンパートメント車両で構成されているのですが、なぜか前方車両は満席で、後部車両はガラガラなのです。 どうして分散しないのでしょうか。 しかも、家族や友人同士というわけでもなく、他人同士でも詰めあって座っています。 不審に思いながらも、我々は空いている方が良かったので、後部車両に座りました。 ・・・と、しばらくすると、不審者が廊下を歩いているのが見えました。 彼は我々の部屋を覗きこみ、「チッ」と舌打ちして去っていきます。 しかも一人だけでなく、不審者が次々にやってきます。 そして決まって嫌な顔をして立ち去り、しばらくするとまた覗きに来るのです・・・ 車掌に聞いてみると奴らはコソ泥だとのこと。 実に分かりやすいコソ泥ですね。 「こんなガラガラの車両に乗るのは、よそ者か泥棒くらい。気をつけなさい」と車掌は言いました。 なるほど、沢山の人が乗っていればコソ泥もやってこない、というわけだったのですね。 コンパートメント車両はドアーこそついているものの鍵が掛からないので、寝てしまったら最後というわけです。 ガラガラの車両は危険なのです。 それでも寝なければ問題は無いわけですが、長時間走る夜行列車。ウトウトすることもあるでしょう。 そこで、ドアーを開けたら物音がするようにチェーンなどをドアーの合間に挟み込みました。 そして、Mさんはドアノブと足にひもをくくりつけて対応。 不審者が入れば足が引っ張られる仕組みです。女性ながら面白い発想ですね。 これで大丈夫でしょう。通りかかった車掌が笑っていましたが・・・ |
Mさんは結構寝ていましたが、私は一睡もできずにカサブランカに到着。 なんと寝るチャンスの少ない旅なのでしょうか・・・ これからまた0泊2日の帰国便のフライトが待っているというのに。 買い物がしたいと言うMさんとはここで別れ、私はモロッコ最大と言われるハッサン2世モスクを見に行きました。 しかし、これまでの天気が嘘のように霧が垂れこめ、その全貌すら見えませんでした。 |
モスクの横には海岸が広がっていました。 遥かなる大西洋・・・ 私の旅もここで終わりです。 |
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