イタリア・フィレンツェの写真です。
韓国、台湾、中国や香港に始まった私の旅も、南アジア・中近東を経て、ついに欧州へと到達しました。
イタリアは私の「深夜特急」の終着駅にしたかったのですが・・・
イタリアは、想像以上に観光化が進んでおり、かつて小説で読んだような世界はありません。
イタリアは国自体が、大・大・大・観光地でした。
どこに行っても、行列・行列・行列です。コロッセウムに入るのに何時間並んだか。
旅には旬があると言いますが、イタリアは明らかに旬を超え、超・成熟観光都市の域に達していました。
もちろん、今や旬が過ぎた国が大多数ですが、もう少し「欧州のアジア」と呼ばれた片鱗を見せてほしかったですね。
トルコも同じ意味でガッカリでしたし、あのインドですら、経済大国となり「神秘性」はほとんど感じられなくなりました。
情報革命で、「秘境」の人々も我々と同レベルの情報を有していますから、彼らと交流していても普通の人と話す感覚です。
知らない者同士が恐る恐る交流する、なんて事はなくなりましたね。お互いがお互いのことを知りすぎています。
「もう旅は良いかな・・・」そう思いました。
そして、家族・カップルばかりの町を一人歩いていると、「自分は何をやっているんだろう」と辛くなります。バックパッカーの旅の目的が、もうそこにはないんです。
家族・カップルで楽しむためにこの地はあるのだと言う感じで。
食事時はさらに辛いです。日本のように一人で外食する習慣が無いようで、どのレストランも入りにくいです。
気軽に入れる牛丼屋・・・なんて皆無です。スーパーも午後7時には閉まってしまいます。
昼間はファースト・フード店やバルで、ハンバーガーやパンをむさぼり、(恐るべき)夕食は昼間にスーパーで買っておいたバナナとチーズをホテルで食べるという始末でした。
物価が高いからか、バックパッカーと呼ばれる種族は少なく、たまに見かけても、道端で「国に帰るお金がなくなりました。
物価が高すぎて食料も買えません。どうか恵んでください」とプラカードを立てた、のたれ死に寸前の人とか・・・
時代は変わってしまいました。
景色は綺麗なんだけど、何があるか分からないという冒険心に基づく旅の深みは、随分減ってしまったような気がします。
そんな中でも、旅のおもしろさはあると言えばあるのですけど、従来の放浪者の旅の目的は達成できないように思いました。
上の写真、しっとりと眺めているようですが、実は大撮影会でした。
一般の観光客が、キヤノンEOS1DやニコンD3などのプロ用カメラを普通に使っています。入門機はほとんど見かけず。
皆お金持ってますね。イタリアでカメラぶら下げて歩くなんて危険と聞いていましたけど、今は安全なのですね。
近くの売店では三脚も売っていました。マンフロットではなく、ケンコー?でしたけど。
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