2年前に実質廃止されたカンボジアの旅客列車。10年前は定期的に走っていました。ボロボロの客車と貨車の混合列車…本当によく動いているなという状態でした。
それでも、これから良くなっていくのかなと思いきや、鉄道は廃退の一途だったのですね。
当時、カンボジアを旅していた私は、首都プノンペンからシソフォンまで列車で行こうと画策していました。しかし、外国人の乗車は非許可とのこと。
ガッカリしてしまいました。
それでも諦めきれず、何とか乗ろうと試みましたが、知り合ったカンボジア人から激しく止められました。「どうしてもダメ!」とのことで、結局諦めざるを得ませんでした。
どうして彼らはたかだか鉄道に乗るのをそこまで静止するのか?時間が読めない?そんなことはどこでもあること。遅れようが大したことではありません。
彼らが神経質になるのは、鉄道は危険だからです。線路に爆弾が仕掛けられたり、山賊に襲われたり…そんなことが日常的にあるのだと言います。
爆弾対策のために、機関車と客車の間にわざわざ貨車すら挟んでいます。そんなこともあり、カンボジア国内の移動はトンレサップ湖上が主流となっており、
鉄道の旅は現実的ではありませんでした。
写真は、アンコールワットからタイへ陸路で抜ける途中に立ち寄ったバッタンバン駅での映像です。バイクタクシーのお兄さんに頼んで、早朝駅まで連れて行ってもらいました。
駅前は無数の屋台から煙が上がっており、活気に満ちていました。どれも汚らしいのでとても食べる気にはなりませんでしたが、駅前の活気にちょっと嬉しくなりました。
駅舎内に入ると、ちょうど列車が止まっていました。一日一本のプノンペン行き旅客列車です。確かに鉄道は走っていました。
本当に走るのだろうかと不安になるくらいボロボロの客車であったとしても、生きた鉄道は魅惑的です。
思わず、乗ってみたい衝動に駆られました。逆ルートとなるバッタンバンからなら、乗れるかも?「これでプノンペンまで行っても良いかな?」「ダメダメ、危ないよ。」やっぱり駄目なのですね。
(2012/1/17)
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