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石炭の香りに包まれて

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2009/12/29 内蒙古集通鉄路有限公司 集通鉄路 下坑子−上店 [CanonEOS5D EF70-200F4.0LIS 1/500Sec F5.6 ISO200 RAW]

つい十年程前まで、中国大陸では現役の蒸気機関車が縦横無尽に走っていました。 貨物も旅客列車も、ALL蒸気機関車というエリアもありました。しかも重連なんてあたりまえ。 夜行列車で目が覚めたら、窓からススが入ってきて、牽引機は蒸気に変わっていた、ということもよくありました。 茶色の大地に煙の巨大な影を落としながら疾走するその姿は「あたりまえ」すぎて何とも思わなかったのですけど、今、鉄道趣味的に考えると実においしい世界で、 もう少し早く目覚めていたら・・・と戻らぬあの時代を懐古してしまいます。 確かに、いまでも少しは残っているようですが、本線では全く見られなくなってしまいました。 現在は観光目的の蒸気が主流になりつつあり、鉄ちゃんたちが高級カメラ・レンズを片手に、助手席に女性を乗せてランドクルーザーに乗って駆けつけるという事象も生まれてきました。 鉄道趣味は、富裕層のステータスとして成り立ちつつあるようです。(鉄ちゃんから漂う独特の雰囲気は日中両国同様なのがおもしろいところですが。) 石炭臭い大地、現役の蒸気、人懐っこい人々・・・あの古き良き中国はもう経験することはできません。 日本の十年と、中国の十年は時間の流れがまるで異なっていました。 そう考えると、こうして「乗り鉄」を経験できたことは、私にとってかけがえのない貴重な経験だったのだと思います。

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